すべての種類のリレーは重要ですが、技術的な要求事項と、潜在的な法的帰結に関する違いがあります。 リレーの種類を理解することが、自分に合ったリレーを知るための第一歩です。

Tor 回線の例:

Tor ユーザー -> ガードリレー -> 中間リレー -> 出口リレー -> 宛先 (例: example.com)

ブリッジを使用する場合:

Tor ユーザー -> ブリッジリレー -> 中間リレー -> 出口リレー -> 宛先 (例: example.com)

ガードリレーと中間リレー

(非出口リレーとも呼ばれます)

ガードリレーは Tor 回線の最初のリレー (ホップ) です。 中間リレーは Tor 回線の2番目のホップとして機能するリレーです。 ガードリレーになるには、リレーが安定かつ高速 (アップストリームとダウンストリームの帯域幅が少なくとも 2MByte/秒) である必要があります。そうでない場合は、中間リレーのままになります。

ガードリレーと中間リレーは通常、悪用に対する苦情を受け取ることはありません。 ただし、すべてのリレーは Tor の公開リレーのディレクトリーに含まれるため、特定のサービスによりブロックされる可能性があります。 これには、オンラインバンキングやストリーミングサービスなど、Tor の仕組みを誤解しているサービスや、Tor ユーザーを意図的に検閲しようとするサービスが含まれます。

非出口 Tor リレーは最小限のメンテナンスしか必要とせず、帯域幅の使用量は Tor の構成で高度にカスタマイズすることができます。 いわゆる出口ポリシーは、そのリレーがクライアントの出口リレーとして機能することを許可するかどうかを決定します。 リレーを非出口リレーとして運用する場合は、出口ポリシーを初期設定のままにしておき、出口リレーとしての使用を許可しないでください。

重要: もしあなたが自宅から単一の静的 IP アドレスでリレーを運用しており、あなたの IP が特定のオンラインサービスによってブロックされることを懸念されている場合、代わりにブリッジや Tor Snowflake プロキシ の運用をご検討ください。 この代替手段は、非 Tor トラフィックが、Tor リレーからのものであるとして誤ってブロックされるのを防ぐのに役立ちます。

出口リレー

出口リレーは Tor 回線の最後のリレーで、トラフィックを宛先に送信します。 Tor クライアントが接続しているサービス (ウェブサイト、チャットサービス、メールプロバイダーなど) には、Tor ユーザーの実際の IP アドレスではなく、出口リレーの IP アドレスが表示されます。

出口リレーは、すべての種類のリレーの中で最も大きな法的露出と責任を負います。 例えば、Tor ユーザーがあなたの出口リレーを使用しているときに著作権で保護されたコンテンツをダウンロードした場合、リレーオペレーター (あなた) は、DMCA 通知を受け取る可能性があります。 出口リレーに関する悪用の苦情は、(WHOIS レコードによっては、ホスティング事業者経由で) あなたに直接届きます。 通常、ほとんどの苦情はテンプレートを使って簡単に対処することができます。

出口リレーを運用すると法的な観点から捜査の対象となる可能性があるため、自宅で Tor の出口リレーを運用するべきではありません。 理想的には、出口リレーのオペレーターは、リレー団体、大学、図書館、ハッカースペース、プライバシー関連団体など、何らかの機関に所属しているといいでしょう。 それらの団体と協力することで、出口リレーのためのより大きな帯域幅を提供できるだけでなく、悪用やまれな法執行機関による調査により対応しやすくなります。

出口リレーの運用を検討している場合は、出口リレーオペレーター用の法的考慮事項のセクションをお読みください。

ブリッジ

Tor ネットワークの設計では、Tor リレー (ガード、中間、出口) の IP アドレスは公開されています。 ただし、政府やインターネットサービスプロバイダーは Tor を遮断するために、Tor の公開リレーの IP アドレスをブロックすることがあります。 Tor ブリッジは、公開 Tor ディレクトリに掲載されていないネットワーク内のリレーなので、ISP や政府が遮断するのを難しくします。

ブリッジは、抑圧的な体制下にある Tor ユーザーや、公開 Tor リレーの IP アドレスと通信していることを第三者に知られたくないユーザーが、さらにセキュリティを強化したい場合に有効です。 中国やイランを含むいくつかの国は、Tor ブリッジへの接続を検出して遮断する方法を発見しました。 Pluggable Transport という特別なブリッジは、難読化の層を追加することでこの問題に対処します。

ブリッジは、比較的簡単に、そして低リスクかつ低帯域幅で、Tor ノードを運用できます。また、ブリッジは Tor ユーザーにとって重要なノードです。 ブリッジが悪用の苦情を受ける可能性は低く、ブリッジは公開リレーとして掲載されていないため、一般的なサービスからブロックされにくいです。

ブリッジは、ホームネットワークからしか Tor ノードを運用できず、固定 IP が1つしかなく、提供できる帯域幅が多くない場合に最適なオプションです。ブリッジには少なくとも 1 Mbit/秒の帯域幅を提供することを推奨します。

各タイプのリレーの技術的要件につきましては、リレーの要件ページをご覧ください。