提案の評価基準はいくつかの重要な目標に基づいています。リレーを簡単にセットアップできるようにすること、悪意のある人物からネットワークを守ること、人権を尊重すること、透明性と説明責任という Tor の価値観に従うことです。
これらの基準は、Tor ネットワークを包括的かつ安全で、倫理的なものに保つのに役立ちます。
私たちはリレーオペレーターに対する目標と、ユーザーのプライバシーとセキュリティのための広範な目標との間の潜在的な矛盾を認識しています。
しかし、目標やポリシーを設定する前に、一つの目標が他の目標に悪影響を与えないことを確認するように努めています。
例えば、私たちはリレーを運用するための障壁を低く保ち、透明性のあるネットワークを構築したいと考えています。
しかし一方で、リレーを運用するための必要条件を少し増やすだけで、悪意のある人物を排除してネットワークをより安全にすることもできます。
だからこそ、リレーオペレーターに過度の負担をかけることなく、こうしたセキュリティ上の懸念を慎重に検討するために、評価基準を設けました。
このプロセスは、透明性に貢献してくださるオペレーターのコミュニティとともに、強靭かつ信頼できるネットワークを維持するのに役立ちます。
提案の評価基準は、技術的な実現可能性を見るだけではありません。これは、理論上機能するかではなく、実際に適切に機能するかを重視するからです。
例えば、技術的には問題ない提案であっても、私たちの評価基準は、リレーオペレーターにとっての実用性やネットワーク全体の安全性に対する潜在的な影響を評価するために、より深く掘り下げています。
これにより、オペレーターに過度の負担をかけたり、意図しないプライバシーリスクをもたらしたりすることを防げます。
過去の提案では、検証のために実際の住所をリレーオペレーターに要求することが提案されました。
しかしそうではなく、私たちの評価基準に沿って、オペレーターコミュニティにとってより負担の少ない代替の検証方法を模索しました。
ユーザー情報をプライベートにし、ネットワークを安全に保つことは、オープンで説明責任を果たす必要がある場合には難しいことですが、私たちの評価基準は、正しい道に進んでいるか確認するために役立ちます。
これらの基準は、リレー、およびその運用者のプロセスを改善するためのルールブックとして機能します。
私たちがこの透明性を実現するための重要な方法のひとつは、ネットワークの安全性に関する強化案をすべて公開し、見つけやすく、理解しやすいものにすることです。
その上で、特定の状況や行動を規定するために、明確で誰もがアクセス可能なルールとポリシーを確立しています。これらのルールとポリシーは、違反とは何か、およびそれに対応する私たちの措置について概説しています。
例えば、悪意のあるリレーの拒否基準では、何が悪意のあるリレーと見なされるかを定義し、私たちが悪意のあるリレーを特定し、削除するための手順を詳しくご説明しています。
ポリシーを公開することで、Tor コミュニティはその実施について私たちに責任を持たせることができます。
ユーザーとオペレーターはポリシーがどのように適用されているかを確認し、リレーが不当に排除されていると思われる場合は懸念を表明できます。
透明性は中核となる価値ですが、潜在的な課題も認識しています。ただし、たとえそれが攻撃者に何らかの洞察を与える可能性があるとしても、私たちは不審な活動を検出する方法をできる限りオープンにしています。
私たちは、すべてのプロセスにわたって透明性と説明責任へのコミットメントを拡大しようとしています。
私たちの意思決定と行動をオープンにすることで、Tor コミュニティとの信頼を築き、プライバシーとセキュリティを守るために私たちを頼りにしていただけるよう目指しております。
すべての提案は、Tor の行動規範と社会契約で説明されているように、私たちのコミュニティのすべての価値観に合致していることを確認するために慎重に審査されます。
さらに、リレーオペレーターコミュニティをサポートし、Tor の全体的な目標を達成するための確立された基準をどの程度満たしているかに基づいて提案を評価します。
提案の提出にご興味がございましたら、リレーとリレーオペレーターコミュニティを管理する原則を理解するために、私たちのポリシーをご確認ください。